労務ドットコム
過労死訴訟から中小企業を守ります
過労死・過労自殺から中小企業を守りたい社労士・北見昌朗

過労死・過労自殺から中小企業を守りたい!
「労務ドットコム」を主宰する名古屋の社労士
北見式賃金研究所 北見昌朗

ドッキリ! 社員の傷病実態調査

40歳以下でメンタル疾患が多発!

(株)北見式賃金研究所は、社会保険労務士法人北見事務所に健康保険の事務を委託している中小企業の社員(1万6000人)の傷病の実態を調査した。

過去3年間(平成24・25・26年)に傷病手当金を受給した人を検証して、どんな傷病で、どのくらい休業したのかを明らかにした。その結果、次のような結果が得られた。

  1. 36%がメンタル疾患。そのうち40歳以下が72%占める。メンタル疾患の6割が退職へ。 【メンタル疾患】詳しくはこちら
  2. 癌・腫瘍は18%。50代以上が多くを占める。早期発見できたかどうかで明暗分かれる。 【癌・腫瘍】詳しくはこちら
  3. 循環器疾患(脳・心臓)は9%。そのうち36%が死亡。給与の高い人・中高年が目立つ。過労死認定されて損害賠償の事例も。 
    【循環器疾患】詳しくはこちら
  4. 傷病になった人の63%は「勤務年数5年以内」が占める。 
    【休業実態】詳しくはこちら

平成27年3月 (株)北見式賃金研究所 北見昌朗

過労死訴訟は会社が倒産しかねない巨大リスク

中小企業の経営者の皆様は『過労死訴訟』を身近で見たこと、聞いたことがありますか? 「新聞では過労死という言葉をよく見るけど、身近にはまだない」という中小企業の経営者が多いことだろうと想像します。

いきなり脅かすようで恐縮ですが、この過労死訴訟は、あなたの会社でも起こりえます。しかも突然、降ってきたかのように発生するのです。今は、そういう時代です。たとえば、こんな感じです。

過労死事件! ある日、社員が心不全で突然死。労災申請が…

メタボ 過労死

A社(本社名古屋市)では、社員が心不全で急死しました。亡くなったのは50歳の営業マン。身長170センチ、体重85キロという体格で、メタボな身体でした。妻(名古屋市在住)とは不仲らしく別居状態が長く続いていたみたいです。食事も毎晩外食でした。その別居状態の“形だけの妻”が、なんと過労死だと労災申請をしてきたのです。

会社と遺族の妻との争点は、残業時間数でした。妻いわく「夫は長時間残業に明け暮れ、毎日午前様だった」と主張してきました。会社は「何いっているのか! 別居状態でそんなことわかるか?」と反論したいところでしたが、タイムカードがないので、残念ながら反論の根拠がありません。

労働基準監督署は、過労死だとする労災の認定をしました。イマドキの労働基準監督署は「帰りが遅かった」という遺族側の主張を尊重し、過労死を認める傾向があります。

過労死だという労災認定が下りた後、妻は会社に過労死訴訟を起こしてきました。その損害賠償請求額は1億2000万円・・・。

会社は、従業員30人の中小企業です。仮に過労死だったとしても、そんな賠償金を払ったら倒産を回避できません。突然起きた過労死訴訟が、名古屋の中小企業の死命を制しかねません。

過労自殺事件! ある日、社員が自殺。会社に1億円の賠償請求が…

過労自殺事件

B社(本社名古屋市)では、ある若手社員(名古屋市在住)が自殺しました。その社員は3ヵ月前に入ったばかりの、22歳の男性です。会社に自殺の急報が届いた時、社内は動揺しました。昨日まで一緒に働いていた仲間が自殺したのですから、泣き出す人もいて、一時期パニック状態に陥りました。

なぜ自殺したのか?
社内では、誰もまったく想像ができません。ところが遺書が見つかったのです。そこには次のように書かれていました。

「ボクは仕事のできない人間です。ご迷惑をおかけしてすみませんでした…」

この遺書を見せつけられ、驚いたのは社長です。

「過労自殺・・・?」

たしかに社長は新入社員研修を自ら行っていました。中小企業ですから、何でも社長が自分でするほかなかったのです。

自殺した社員は、人前で緊張する性格で、挨拶もろくにできませんでした。社長は挨拶の仕方から教えました。心中では「なんで会社がこんなことまで教えるのか?」と疑問でしたが、一人前にしてあげるという誠意をもって教育にあたっていたのです。

仕事のスピードがあまりにも遅いので、「君、もう少し早くできないのかね」と言ったことはありましたが、まさか、それが自殺につながるとは、社長も想像しませんでした。

会社はあまり残業もなく、従業員の定着ぶりもまずまずです。営業ノルマもありません。社長にしてみれば、自分の会社でパワハラ事件が起きるとは、しかも過労自殺に至るとは……。

息子の遺書を見て半狂乱になったのは両親(名古屋市在住)です。両親は過労自殺だ、労災だと、名古屋にある会社に怒鳴り込んできてわめき散らしました。母親は「息子は会社に殺された。過労自殺だ」とまで言いました。

両親は会社を相手に過労自殺訴訟を起こしてきました。損害賠償額は1億5000万円。弁護士から送られてきた過労自殺訴訟の内容証明郵便を見て、社長は卒倒しそうでした。

「うつ病になったのは会社のせいだ、労災だ」という時代の到来

中小企業の経営者の皆様、A社とB社の過労死・過労自殺そして過労自殺訴訟に関する事例を読まれて、いかがでしたか?
「過労死とか、過労自殺とか、ここまで要求されると従業員を雇うことが嫌になる」とか「なぜ訴訟にまで発展してしまうのか?」「本人の自己管理責任はどうなっているのか?」等々、さまざまな感想があることでしょう。

しかも、さらに困った問題が起こりつつあります。それは「うつ病」です。
「うつ病になったのは過労のせいであり、労災だ」という申請が、今後どんどん増えてきそうなのです。

会社が従業員に残業をさせるには36時間外協定の届出が必要です。その時間外協定は「月間45時間以内まで」という制約があります。会社がそれを超過していたら、仮に時間外手当をきちんと払っていたとしても、それは労働基準法違反です。中小企業の法的な知識不足につけ込み、そこを突いてくる輩がいるのです。

「うつ病」とひと口で言っても、多種多様です。本当に深刻な状況で、治療が必要な人がいます。

その一方で「新型うつ」と言われますが、どう考えてもマトモな「うつ病」だとは思えない人もいます。
たとえば「会社には行けないが、パチンコ屋には行ける人」「上司には会えないが、キャバ嬢には会える人」なんて、本当に病気だと言えますか? それでも「うつ病」なのですか? どう考えても人生から逃げているとしか思えません。

このような「新型うつ」を自称する輩が、「過労だ」と労災申請を出すケースがあります。
過労でうつになった、とイザ労災が認められてしまったら、会社はたいへん! だって解雇できなくなるからです。治るまで、ずっと解雇できないのです。労災に伴う休業期間中は、労働基準法により解雇が禁止されています。

しかも、うつ病になったのは会社のせいだ、過労だった、ということで訴訟を起こされ、民事賠償まで請求されかねません。

過労死・過労自殺から中小企業を守る労務管理のチェックシート

なんでもかんでも労災だ、過労死だ、過労自殺だ、訴訟だという時代になりますと、会社も身を守る必要があります。そのために、中小企業の経営者は勉強しましょう。このサイト「労務ドットコム」は、中小企業の経営者が過労死、過労自殺、訴訟を勉強するための場です。

そこで、過労死や過労自殺、過労自殺訴訟のことを学ぶ前に、まず会社が行うべき労務管理ができているかどうか、チェックしてみてください。

過労死、過労自殺、訴訟の前に労務管理のチェック

過労死・過労自殺から中小企業を守りたい!

過労死とか過労自殺とか、嫌な言葉ですね。だいたい自己管理責任を問わずに、なんでも会社のせいにしたがる世の風潮に疑問を感じます。

北見式賃金研究所(本社名古屋市)は、中小企業に対して現代風の労務管理を提案します。過労死・過労自殺だったと訴えられない訴訟が起きないように労務管理を徹底するお手伝いです。仮に過労死・過労自殺だったと訴えられた時にも、会社側のリスクを最小にするように助言します。